イタにち日記。

イタリアでの生活、外から考える日本のこと、感じたことをつれづれ書いています。   何よりも数年後の自分自身がこの感覚を忘れないように。

一汁三菜の呪縛。

 10月3日(水)晴れ。

 

寒くなってくると、和食を作る機会が増える。

それは単に温かい料理のレパートリーが

和食のほうが多いのかもしれないけれど、

冬は故郷が恋しくなる季節で、

それが私に和食を作らせるのだと勝手に思っている。

 

しかし、和食を作る上でのハードルがある。

 

それは「一汁三菜」という言葉だ。

 

小さな頃からどこでだか分からないけど

一汁三菜を刷り込まれ、

一日30品目を食べましょう運動があり、

頭にも目にも舌にも沁みついてしまったのか、

品数が少ないと寂しくなってしまう。

そして、つい品目を数えてしまう(苦笑)

 

これは呪縛だ。

 

家で和洋中・色とりどりのご飯を作るのは

日本が断トツだと思う。

それは調味料の数を見れば一目瞭然。

 

イタリア人の家のキッチンはすごく整然としている。

掃除しているからだし、

収納が上手いからであることはもちろんだけれど、

調味料と食器の数が違う。

 

がゆえに、日本の母はしんどい。

 

少し前に、料理研究家の土井善晴さんが

「一汁一菜でよい」という提案をして

話題になった。

なるほど、日本の母親を「一汁三菜」の呪縛から

解放してあげたかったのだろうと

私は解釈した。

 

一汁一菜でよいという提案

一汁一菜でよいという提案

 

  

しかし、哀しいかな

自分の体がそれを許してくれないのである。

 

そして、私がこれを続ける限り、

私の子どもの未来の食卓で

パンとハムとチーズとトマトだけというような

夕飯はやって来ないのだろうか。

 

さて、今日の夕飯何にしようかな。