イタにち日記。

イタリアでの生活、外から考える日本のこと、感じたことをつれづれ書いています。   何よりも数年後の自分自身がこの感覚を忘れないように。

イタリアンキッズの夏休みの過ごし方 ②山海編

7月6日くもり

 

前回に続き、長いイタリアの夏休み。

「どこに行くの?」と聞くと、

 

「まず山にいって、その後は海(国内の)へ行き、

その後ギリシャに行って、また山に。」

 

長い夏休み、遊牧民みたいに

2週間くらいずつ転々と

移動して過ごしている家族が結構いる。

 

日本のイメージで

ずっとプール付きのホテルに泊まるのかなぁと

想像し、ずっとバカンス行くなんて

どれだけお金持ちなのだろうと

最初は思ったもの。

 

少しずつ分かってきた彼のバカンス、

そこから見える家族の在り方を

今日は書こうと思う。

 

まず、山と海に家を持っている人が多い。

私の友人で持っていない人は少数。

 

日本で別荘というと、スーパーお金持ちな人で

しかもすごく大きな家を想像する。

 

もちろん、立派な家を代々受け継いでいるけれど

アパートの1室を持っている人、

山のバンガローを持っている人、

とその家の形は様々。

 

共通していることは、

いずれも休暇の拠点となり、

親戚や友人が集う場所であり、

そこを軸に何十年と続く人間関係もできる。

 

そして、家と同じなので自炊し、

必要以上な出費にはならない。

 

最近、税金もあがり別荘を持ちにくいらしいが、

別荘を持たない人も、

毎年同じレジデンスを借りたりして

やはり拠点がある。

 

暑くて何もすることのないミラノから脱出し、

遠出の旅行以外はこの山や海の家で

非日常を過ごす。

 

働いている人たちは3~4週間と日本人から考えたら

信じられない長さの休暇をとるけれど、

もっと長い子どもたちの夏休みは

全部カバーはできない。

 

そこで登場するのはスーパーノンニたち。

(ノンノ=祖父、ノンナ=祖母、ノンニ=祖父母)

 

両親が働いている子どもたちは

山か海の家でノンニと過ごし、

週末に親がミラノから合流する。

 

親なしでへっちゃらな子ども以上に、

私はこのノンニたちのパワフルさと愛情に

驚いた。

 

いとこも合流したり、

また、同じように休暇を過ごす

近所の子どもたちと遊んだりと、

ここに親戚のいない私には

家族や人間関係の在り方が

羨ましく見える。

 

 

日本よりも高齢出産だから

当然ノンニたちもご高齢。

みんなとても元気だし、

(もちろん、世話できるほど元気なノンニしか会っていないのですが)

日本よりもずっと自然に

子育てに関わっているように見えるのは

隣ならぬ遠い国が青く見えているだけなのだろうか。

 

イタリアのノンニの生活密着ぶりは想像を超え、

日本で仮に同じ状況だったら

結構ウザいのかもしれないけれど、

小さな頃からたっぷり愛情を注いでもらうからこそ、

大きくなっても寄り添っているのかな。

 

人それぞれ家族とどうありたいかは違うと思うけど、

遠く離れているからか、

夏とクリスマスの時期は家族が恋しくなる。