イタにち日記。

イタリアでの生活、外から考える日本のこと、感じたことをつれづれ書いています。   何よりも数年後の自分自身がこの感覚を忘れないように。

Arteのオンライン授業

今日はArte(美術)のオンライン授業の話を。

 

休校になって以降、Arteの授業では

毎週課題が出される。

 

例えば「Albero 木」の絵を描くとか、

「Rosso 赤」をテーマに

家中の赤い色が出るもので色を表現するとか。

 

私が記憶している小学校の図工から見れば、

ずいぶんクリエィティブだなぁと

日々、日伊の違いを感じるArteです。

 

普段、ヘッドフォンをつけて授業をしている子どもに頼み

初めて授業をしっかり見てみた。

課題は「チューリップもしくはバラ」だった。

集まった子どもたちの絵を

先生が紹介してコメントしたり、

本人が説明したり。

 

日本だったら赤か黄色かピンクの

あのチューリップの絵を想像してしまうけれど

授業で紹介された絵は、

実に個性豊か。

 

形も色々。

バラとは全く思えない形をした花もあれば、

ジャックと豆の木のシーンのような

ストーリー性がある絵を描く子ども。

1つのチューリップが赤黄青の3色花びらだったり。

(あの日本の宗教ではないはずだけれど、笑)

 

私のしょぼくれた目には失礼ながら

なんだこの絵。。。とっちらかったチューリップだなぁ。

と思うようなものも

子どもは「Che bello!」と言うから

美的感覚もすでに違うらしい。

 

一体、私たちはいつから、

空高く描く太陽は赤く、

花はピンク色を塗るのだろうと

私は思っていたようだ。

すごく印象に残っている場面がある。

 

日本で保育園見学をしていた時に

廊下に貼ってある絵をみて、

確か紫陽花だったと思うが、

皆、似たような色で紫陽花を描いていた。

 

園長先生に、

「これはこの色で描くように言っているのですか?」

と質問したら

「直接は言わないけれど、

「どんな色だったかな???」など

見た色を促したりしています」と教えてくれた。

 

自分の記憶の中でも 

写生が多かった気がする。

見たものを忠実に描く。

よりリアルに、キレイに描けた子どもが一番上手。

 

一方、私の子どもがイタリアの学校から

今まで持って帰ってきた絵の中に

写生したであろう絵はない。

何か対象物はあったとしても、

写生したとは分からないほど

アレンジが加えられている。

 

 

私がとりわけ、

このArteの授業が好きなのは

自由さ、上手とか下手とかではない見方、

まさにイタリア文化への羨望の現れだろう。